2014年11月16日日曜日

小林花祭 その2

続きです。

さて、舞庭では舞が始まりました。殆ど見ていませんので、見ているところだけお伝えいたします。
殆どはこの位置からのぞき込む形で見ていました。

 これはこれで楽しい

とは言っても、まだ10時くらいでは、接待を受ける方もいないので、時々は表で撮影してました。お客様の中には、4Kカメラを持ってくる方もいて「私も撮りたい」って気にさせますが、今回はビデオカメラを持ってきてません。何時か、本当に小林の地に馴染み、小林の花祭が解るようになったら、その時はまたカメラを回したいと思っています。


 地固め

昼頃に役鬼の一人、山鬼(山見鬼、山割鬼)が登場しました。役鬼の中でも、私が最も好きな鬼です。この山鬼、諸説ありますが、浄土を開き、神の子を助ける鬼と言われています。その助けられ、生まれ清まった子が、この後の花の舞で舞う稚児の様です。
あとこの鬼だけは、花祭の前身でもある、大神楽にも存在していた様です。

そう言えば、以前東栄フェスティバルで知り合ったお爺さんが、「私の子供の頃は、舞庭(当時は各家庭)の前に三途の川と白山を作り、そこを山見鬼がまわったもんだよ」と言っていました。それだけ重要な鬼なのです。

因みに小林の山鬼の面は、ヘルメットの様にかぶるタイプです。他の地域の面より動きやすいかもしれませんが、重くないのかな?

 私の大好きな山鬼

 浄土を開き、神の子を助ける鬼です

山鬼、花の舞の後に登場するのが、花祭の主役、榊鬼です。
反閇を踏み、大地に新しい生命力や活力を吹き込み、自然の恵みや、五穀豊穣をもたらす鬼といわれています。実は、山割鬼も特徴がある面でしたが、榊鬼も他の地区の鬼とは全く異なる面なのです。
見て下さい。花祭の面は、基本的に大型の物ばかりなのですが、小林の榊鬼は面が小さく、しかも天狗の様な形相です。角も小さい為、正面から見たときに天狗と間違える人が多いようです。

因みにこの榊鬼、太夫との問答の後に、 希望者の対して反閇を踏んでくれ、体の中から悪いものを出してくれます。例年、必ず踏んでいただくのですが、今回は接待中につき、すきを見てのぞき込むのが精一杯でした。

そう言えば、当初荒ぶる神である榊鬼は、太夫との問答により良き神となると言われています。これって、有名な豊橋の鬼祭と似ていると言えば似ていますね。豊橋の場合は、太夫ではなくこれを軍神たる天狗が、榊鬼ではなく赤鬼が行い、改心した赤鬼はタンキリ飴を配りながら、市中を真白にする迷惑な行為(笑)をするのですが。
榊鬼

 お客様も、地元の方も、お願いして悪い物を出してもらいます

そして舞は進みます。

その間も、私は、接待、接待、また接待。基本、仲間と来られている方はお酒だけ注いで、一人で来られている方や老夫婦で来られている方には積極的にお声をかけ、そんな感じで10時間程頑張りました。

中には、すでに花祭が無くなってしまった地区から来られた方とか、60年前くらいは小林に住んでいた方とかもいらっしゃいました。小林に住んでいた方に対しては、正月頃にやっていた時の様子とか、子供の頃の記憶とかお聞きしましたが、 昔も祭の感じはこんな感じだと聞き少し安心しました。
色々な地区の花祭を見ていると、最初から最後まで酔っ払いが騒いでいる地域もあれば、とても静かな地域もあります。実は、小林の花祭がもしもっと賑やかな祭ならば、お年寄りが元気な内に、そういった祭に戻してあげたいと思っていたからです。これが本来の姿であるなら、この形を残すような努力をすれば良いのでそこだけは確認しておきたかったのです。

そう言えば、私が毎年お世話になっている元下津具保存会の方も来られてましたね。以前布川でお会いした時のこと、完全に忘れられていました。さらに、「今年、舞庭に上がり暴れまくり、その後客席で消防団の方と酔いまくり、結構注意されてしまいました。」的な話をしましたが、「来てたか?」と隣の方と顔をかしげる始末。まだインパクトが足りなかったようです。
自家製梅酒まで差し入れしたのに(T_T)

来年は、もっと暴れちゃる!!





そうこうしている内に、20時半となり、ついに樽酒の日本酒が切れてしまいました。最後は、私が飲み干しました(笑)。同じく座見の勇人CEOが、「俺のルールで樽酒切れたら接待終了。」と言うので、そこで接待は終了です。そのまま舞庭に行くと、神子舞のあたりまで舞は進んでいました。

そしてそこには、あの舞庭恋唄を歌う風流院の三人がいらっしゃいました。仕事を終えて来てくれたのです。早速皆で味噌を付けてもらいます。因みに私が以前行った豊根村の味噌には、たっぷりニンニクが入っており、塗付けられたら大変な目にあいました。臭いだけでなく、肌にしみますからね。

  小林の味噌は臭くないので大丈夫

洗礼を受けた風流院のお二人

さて、いよいよ祭はクライマックスです。祭は、四つ舞へと突入しました。その時の様子をスマホにて撮影していました(記憶にない)。
これ、これですよ。これが楽しくて毎年来ています。神と人が一緒になった瞬間、まさに神人和合です。声がこかれようが、最後までぶっ飛ばすしかありません。神様と一緒なのですから。

で、一週間、喉の調子が...。

四つ舞

四つ舞

そして、役鬼の最後に茂吉鬼(朝鬼)が登場します。私、小林では、これまで一度もお金を拾ったことがないのですね。なんて思っていたら、今年も私とは逆の方向に飛んでいきました。

残念。

茂吉鬼

茂吉鬼

そして、ついに湯囃子です。

この湯を浴びると風邪をひかないとか色々言われますが、そんなことはありません。お湯を思いっきり浴びて、そのまま外でウロウロしていれば確実に風邪をひきます。でも、最前列に行きます。花狂いとはそいうった者です。

因みに大変長い舞ですが、一般的には、たわしを両手で持って、それを片手に持ち替え、再度両手になったら湯かけが始まると言われています。また、お湯にたわしを少しだけ付けるとか、少しだけお湯を飛ばすと言った予兆があります。しかし、小林ではこの予兆が殆どありません。まっ、そろそろだなとはわかりますが、釜の蓋が開くと、かなり早い時間で湯かけが始まります。

あと、湯かけは1回だけ。他のように継ぎ足すことはありません。ですから、冷水をかぶる様なことはありませんよ。

湯囃子
湯囃子

ではここで、2010年の映像ですが、湯囃子の様子をご覧下さい。前半はトリップ状態のセイトの皆さんの様子を。そして後半は、湯かけの様子をお楽しみ下さい。

テホヘー、テホヘー

お湯が掛かろうが舞いまくる...それが花狂い

何もかもがびしょ濡れです

獅子

湯囃子、獅子が終わると、「花祭終了」の放送が入りますが、実は終わったのは舞だけです。ここから神様を戻す為の神事が行われます。

この後残る人達は、地元小林の人か、花狂いの人か、花祭を調査している人達。大半は、名古屋大学の学生さん達ですね。私は、これを見ないと花祭が終わらないのです。だから基本的に、太夫以外見ることができないしずめ以外、全て見ることにしています。

神を呼び、神と共に舞い、神を返す。これが花祭です。





最後は、残った人達が一緒になって面や道具を運び出します。他の地域では湯蓋などを降ろし、神社まで皆で行列を作って運んだりもしますが、小林ではこの形です。

でも、太鼓は最後まで残しておき、最後の最後でに囃子ながら神社に向かいます。暗くなった神社で「テーホヘテホヘ」の笛の音が消えると、本当に花祭は終了です。この時、ちょっと涙が出てしまうのですよ。


しかし、先ほど書いた様に、この後も太夫は別の行事を行います。しずめと言われる神事です。小林では、太夫以外これを見ることはできませんが、布川とかでは見学することができますよ。

これで、今年の花祭は本当に終わり。

後半ははしゃいでしまいましたが、途中で書いた様に、来年は最後まで裏方で良いかなと思っています。こんな素晴らしいお祭りです。多くの方に知ってもらいたい、満足して帰ってもらいたい。でも何より、地元のお年寄りに、「今年もよい花ができた」と言ってもらいたいのですよね。その為には、お年寄りには舞庭とか、客席等に出てもらいたいのです。

片付けでもなんでもします。何時か私ものんびり見させていただきますので、それまでは裏で頑張らせて下さい。

仕事がなければ!!



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